憧れの職人

書籍から刺激をもらう

「うどん職人の朝は早い」

 

重松清さんから本日もエネルギーチャージ。

 

 

良書は魂の滋養って言ってたのは誰だっけ?

 

本当にその通りだなあ…と、一字一句を目で追いかけながら心の栄養を噛み締める。

 

世界観をもった文字の群れを追いかけていくことは本当に楽しい。

 

一定の距離をもってゴールまで一緒に走れる事もあるし、文章の慣れないペースに振り回されておいてかれたりしてしまうこともある。

 

たまに追い抜かしてしまうとちょっとがっかりしてしまう。

 

 

そんな風に私は小説の雰囲気を一緒にマラソンを走るランナーとかさねる。
重松清さんの文章を例えるなら、彼は追い越せそうだけれど絶対並ぶ事はできないようなランナー。

 

 

コーチ…ではなくて、指導者。走る事の楽しさを一歩ずつ足の踏み出し方から教えてくれる指導者。
追いかけていたはずなのに、一緒に走っているように錯覚させられるくらいあの人の文章の背中は大きく私をつつみこむ。

 

 

「峠うどん」もそんな作品だった。
生きるとは。死ぬとは。見送るとは。自分で選ぶとは。

 

 

普遍的なテーマをうどんを主軸に切り取る。
想像の容易いうどんはストーリーを読み進めながらも切れる事無く読者に常に細く長くテーマを投げかけ続ける。

 

扱っている題材はふさぎ込みそうになるものでもあるはずなのに、そう感じさせない優しさがこの本にはあった。

 

 

だからこそ、お出汁のほっこり感に似た暖かい気持ちを感じながら読了のゴールを切れた。
弱った心の滋養にはうどんがやっぱり一番だった。